発達障がいと診断を受けた!!手始めにまずやるべき3項目

我が子が、発達障害と診断された!!
でも、まず何から始めたらいいんだろう?
病院の先生からざっくりとは説明されますが、具体的に何から順番に始めていけばよいかは、その子の状況にもよると思います。
このページでは、病院で発達障がいであると診断を受けた日をスタート地点として、まずやるべき基本的な3項目について、ご紹介します。

1:市役所のこども相談課などに連絡する

こども相談課とは

こども相談課とは、こどもに関するありとあらゆる相談事に対応してくれる、いわば、こどもよろずやさんのようなところです。
私の住んでいる自治体のこども相談課では、以下のような事業をおこなっています。
*発達に関する事について抜粋しています。

①こども家庭相談係に相談

こども家庭相談係とは、0歳から18歳までの子どもとその家庭の相談を受けとめ、解決に向けての支援を行い、必要に応じて、福祉・保健・教育などの機関と連携しています。
心理相談による子育ての悩みや不安、子どもとの関係についての相談を受けています。

まずはこちらで、我が子の状況を説明し、今後どういった子育て支援や福祉支援を受けられるかなどを相談します。
洗いざらい現状で不安に思っていることを、どんな些細な事でもいいので、お子さんの状況や家庭環境などを細かく相談します。
その上で、今後の支援の在り方について、担当部署につなげてもらいます。
わらピーは、ここの発達支援係にて、担当保健師さんとの面談をする日程を設定してもらいました。

②発達支援係にて保健師との面談

発達支援係とは、障害のある子どもや発達に課題のある子どもの通所サービス(児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援)を受けるに当たっての相談、利用申請の受付及び受給者証の発行を行います。

こども家庭相談係に相談した後は、日程を調整して、ここに在籍している担当保健師さんと面談を行います。
こちらでは、こども家庭相談係よりももっと、突っ込んだ質問をされます。
聞かれる内容は、面談を受けるときのお子さんの年齢にもよりますが、大まかには以下のような事を聞かれます。
*わらピーが発達支援係で保健師さんと面談を受けた時(2歳3カ月頃)の、質問項目です。

  • 妊娠期間中及び出産時の状況
    主に妊娠期間中の母親の病気やトラブルの有無、出産時のこどもの体重、トラブルの有無などについて聞かれます。
  • 今までの発育経過
    大きな病気の有無(熱性けいれんの有無など)、首はいつすわったか、お座りはいつできたか、ずりばい、ハイハイはいつからか、つかまり立ちはいつからか、歩き始めはいつか、離乳食の開始時期など、今までの発育経過を細かく色々な項目にわたって聞かれます。
    そのため、母子手帳を持参すると安心です。
    *私は面談の日程調整をする際に、母子手帳を持ってくるように言われました。
  • 現在のこどもの様子
    視線が合うか、呼びかけに反応するか、指差しをするか、発語があるか、どのような遊びを好むか(一人で遊ぶのが好きか、それとも誰かと一緒に遊ぶのが好きかなど)、睡眠状況(夜驚症の有無や、夜中に覚醒する、睡眠リズムが一定ではないなど)、排せつ状況(トイレトレーニングの進捗状況)、食事の様子(一人で食べられるか、お箸やスプーン、フォークが使えるか、食べ物の好き嫌いが激しいかなど)など、現在のこどもの様子について、細かく色々と聞かれます。
    わらピーの場合は、できますか?という問いに対しては、ほとんどできませんという答えでした(泣)

③こどもの状況によって次へのステップを教えてくれる

保健師さんとの面談のあと、お子さんに療育を受けさせたほうがよいという判断になった場合は、以下の手順を踏んでいく事になります。
そうなった場合は、一連の今後の流れを教えてくれます。

お子さんの年齢や状態によっては、療育を受けるのではなく、早くに集団生活の場にお子さんを入れてあげて、大人(園の先生や親など)の適切なサポートを受けながら様子を見ましょう、ということになる場合もあります。

2:発達検査を受ける

発達検査とは

発達検査とは、お子さんの今の発育段階を図る検査です。
以下に、比較的多く用いられる検査を数種類あげておきます。

  • 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法
  • 津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法
  • WISC-Ⅳ 知能検査
  • 田中ビネー知能検査V
  • 新版K式発達検査2001
  • KIDS乳幼児発達スケール
  • MEPA2
  • ムーブメント教育プログラムアセスメント2
  • フロスティッグ視知覚発達検査

我が家<わらピー>の場合

年齢によって受けられる形式は違いますが、この検査によって大まかな現状の発達段階を知る事ができます。
わらピーは、新版K式発達検査2001というタイプの発達検査を、1歳10か月の時に、生まれた病院で受けました。
わらピーの場合は、市役所に相談する前に病院で発達検査を受けていたので、担当保健師さんとの面談のあとに、新たに検査を受けることはしませんでした。
というのも、発達検査は短期間に何度も受けてしまうと、正確な数値結果が出にくく、あまり意味がないからです。
最低でも半年以上は期間を空けるようにいわれました。

わらピーと同じように、市役所に相談に行かれる前にすでに発達検査を受けられている方は、この項目は飛ばしてください。

3:受給者証の発給申請

受給者証とは

受給者証とは、療育を受けるために必要な証明書の事です。
療育とは、発達の遅れや課題、社会生活を送る上で困難な点を少しでも軽減したり、本人の不得意な事を伸ばしてあげるために受ける、トレーニングや教育の事です。
この療育を受けるためには、受給者証という証明書が必要で、お住まいの各自治体(市区町村)に申請手続きをして、発給してもらいます。

受給者証を受けるための手続き

①各市区町村のこども相談課(受給者証申請担当課)の窓口へ連絡をする

我が家の場合は、上記に書いた、こども相談課の発達支援係に受給者証の申請をしに行きました。
直接、担当窓口に行って申請の意思を伝えても良いのですが、この時に、医師の意見書や発達検査の結果書類などを求められることもあるので、事前に担当課へ電話をして、必要書類の確認をしましょう。
各自治体のホームページにも申請の手続きについては載っているのですが、詳細は電話で確認するほうが確実なので、電話で確認することをおすすめします。
また、提出必要書類は各自治体で違うので、必ずホームページや電話などで確認してください。

ちなみに、わらピーが初めて申請した時は、医師の意見書や発達検査の結果書類の提出などは求められませんでしたが、現在は、これらの書類を求められています。
但し、市の児童発達支援センターで面談を受けて発達検査を受けた場合は書類提出は不要とされています。

②利用したい事業所を選ぶ

療育を行っている事業所の数は、ここ5年くらいで、国の後押しもあり、右肩上がりに一気に増えています。
我が家の住んでいる市では現在、放課後デイだけで60もの事業所があります。
それだけ、支援を必要としている子どもたちが多いという事ですね。
数がそれだけ多いと、療育を初めて受ける場合は、右も左もわからない状況なので、いったいどういう基準で事業所を選べばいいのかわかりません。

でも、心配はいりません。
1:こども相談課などで相談する―②発達支援係にて保健師との面談のところで、お子さんにどんな療育があっているのか、またどういった療育があるのかを教えてもらえます。

我が家の場合は、この時に市内の事業所の一覧表をもらいました。
自治体によっては、一覧表を市のホームページで公開してるところもありますので、問い合わせてみてください。
一覧表には、それぞれの事業所が行っている具体的な療育内容が書かれています。
<例>
・ターゲットとしている障がい名(例:知的障がい、ADHD、自閉症スペクトラム障がい、ASDなど)
・行っているアプローチの方法(例:STー言語聴覚、OTー作業療法、PTー理学療法、SSTーソーシャルスキルトレーニングなど)
・個別か集団か
これらの項目を参考に、ご家庭の状況に合わせて利用したい事業所を選びます。
大半の事業所はホームページがあるので、気になる事業所があったらインターネットで調べると、より詳しい情報が得られます。
ホームページがない事業所でも気になるところがあれば、積極的に電話等で問い合わせてみましょう。
*更に詳しく事業所の種類・選び方についてお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
療育の種類と選ぶ際のポイント

③利用したい事業所へ見学に行く

利用したい事業所が選べたら、その事業所へ実際に見学に行ってみましょう。
まずは利用したい事業所へ連絡をして、見学の日程を調整します。
見学には、ご利用になられるお子さんも一緒に行くようにしてください。
初めての所が苦手だったり、いつもと違う所へ行くことがストレスで苦手なお子さんもおられると思いますが、そこはプロである事業所さんのお手並み拝見!という事で、気を楽に行ってくださいね。

療育の内容によっては、実際にお子さんが体験できるものもあれば、親御さんからの聞き取りやお子さんの様子を職員の方が観察するという場合もあります。

我が家も、個別療育、小集団療育、市の通所施設、個別のプール療育など、色々な事業所さんを見学に行かせてもらいました。
印象としては、個別療育は実際に体験できるところが多かったですが、通所施設や小集団療育の所は、聞き取りやわらピーの様子を観察するに終始していた様に思います。

④受給者証申請担当課の窓口へ、再度連絡をする

用意するべき必要書類、利用したい事業所が決まったら、再度申請担当課へ連絡をします。
提出書類が用意できたこと、利用したい事業所が決まったことを担当者へ伝えて、申請の為の聞き取り及び申請の日程を調整します。

⑤受給者証申請担当課へこどもと一緒に行く

必要な持ち物

④で調整した申請の日時にお子さんと一緒に担当課へ出向きます。
その際に持っていくべき持ち物は、各自治体のホームページに載っていますし、④の連絡の際にも教えてもらえます。

わらピーの時に必要だったものは、
・印鑑
・母子手帳
・マイナンバーがわかるもの
の3つでした。
現在は、この3つに加えて、療育手帳、身体障がい者手帳、発達検査の結果や医師の診断書等、療育が必要な事がわかる書類を求められています。
なので、病院で診断を受けた時に、障がいの診断書等をもらっておくと、申請がスムーズにいきます。

わらピーが初めて申請をしたときには、親の申告だけで受給者証の申請が通りました。
しかし昨今、支援を必要としているこどもの増加に伴い、本当に療育を必要としているこどもを優先し、確実に受けさせてあげるために、障がいの有無や程度を証明する書類が求められているようです。

聞き取り調査

ここでは、申請にあたって、お子さんの状況をさらに詳しく知るために、聞き取り調査を行います。
親御さんから詳しく聞き取りを行いながら、お子さんの様子も観察します。
なので、1時間くらいはかかるとみておきましょう。

長時間にわたる聞き取りのため、お子さんがぐずることもあるかと思いますが、おもちゃや本などこどもの好きそうなものを用意してくれていることが多いです。
そうはいっても、お子さんが興味のもてるおもちゃがない場合もあるかと思いますので、おうちで普段遊んでいる、お気に入りのおもちゃやアイテムを持って行っておくと安心です。
普段遊んでいるおもちゃやアイテムなどがあれば、お子さんが安心して待てるだけでなく、担当保健師にも、お子さんの普段の様子がより伝わりやすいかと思います。

わらピーは、この頃、レゴのブロックを色別(赤・青・黄色・緑)に、階段状に重ねては色を組み替えていくという遊びにはまっていて、どこに出かけるにもこのレゴブロックを持ち歩いていました。
なので、面談の時にも持参して、ずっとその遊びをやっていました。
後は、新幹線とトーマスの本が大好きだったので、それも持っていきました。
保健師さんはわらピーの遊ぶ様子を見て、具体的にこういう所が苦手だよねとか、こういう所は得意だね、という話にも繋がり、わらピーの様子を詳しくわかって頂けたように思います。

わらピーがはまっていた、レゴブロック遊び
わらピーが大好きな、電車、トーマスの本

⑥サービス等利用計画案作成の説明

療育を受けるにあたっては、サービス等利用計画案というものを作成する必要があります。
聞き取り調査のあとに、このプランの作成の説明があります。
我が家の住んでいる市では、計画案の立て方には以下の2通りあります。

市の相談員と一緒に立てる

これは、市の担当相談員さんと一緒に計画案を立てる方法です。
相談員さんは、お子さんのご自宅あるいは市の施設でお子さんの様子を観察して、必要な療育内容や療育量を、親御さんと相談しながら決めていきます。
初めて受給者証を申請される方や、お子さんにどんな療育が必要か具体的なイメージが湧きにくい、お子さんに合った事業所ってどこかわからないなど、お子さんにとって最善の療育を一緒に探してもらいたい方に、お勧めのやり方です。
相談員さんは聞き取りや面談を行うだけでなく、利用したい事業所の見学にも一緒に同行してもらう事ができます。
事業所の職員さんの話やお子さんの状況を、第三者目線で客観的に判断してもらう事が出来ます。
また相談員さんの私的な意見にはなりますが、ホームページにはのっていなかったり、公にはなっていない裏話や口コミを聞くこともできて、それがけっこう当たっていたりもするので、参考になります(笑)

デメリットとしては、一度、「相談員さんと計画書を立案する」を選択すると、こちらから言わない限りは、受給者証の更新や項目の変更の度に、相談員さんと日程を調整して面談をしなければなりません。
療育施設を利用し始めてから、初めに決定された支給量(利用日数)を変更したい、事業所を変更したい、などといった簡単な事務手続きでも、計画書の項目を変更することにあたるため、相談員さんと面談をする必要があります。
変更したい項目を相談員さんに相談したい方にとってはいいと思うのですが、単純な日数変更でも相談しなければいけないのは、けっこうめんどくさかったりします。

セルフプラン

セルフプランは文字通り、親御さんが自分一人で書類に記入して立てるやり方です。
我が家は一番最初の申請から、このセルフプランで計画案を立てました。
計画案には、お子さんの普段の生活の様子や、病気の既往歴など、色々と書く項目があるのですが、大体は、親御さん一人で書けるものが多いです。
但し、こどもにこういう風になってほしいとか、こういう暮らしを子供とおくりたい、などの項目については、聞かれている内容が抽象的で少し戸惑いました。
もちろん、面談の時に保健師さんがアドバイスをしてくれるのですが、初めて申請した時は漠然としすぎていて、書くのに困りました。
こういう時に、相談員さんと一緒に我が子を観察しながら決められれば、もっと具体的で明確な内容が書けたのかなと思います。

我が家がセルフプランを選んだ理由は、わらピーに他の兄弟がいたからです。
わらピーには、双子の妹と2歳上にお兄ちゃんもいて、当時私には、わらピー以外に手がかかる年頃のこどもが2人いました。
なので、これ以上誰かと日程を調整して、会って、相談して、という余裕が全くありませんでした(笑)
わからないところは、適当に(笑)埋めて、計画案を提出しました。
初めにセルフプランにしていたので、その後の支給量の変更も、とてもスピーデイーに通りました。
今の所、特に困ったなということはありません。

初めて申請される方には①の相談員さんと立案を、慣れてこられた方には②のセルフプランをおすすめします。
私のように時間に余裕がなかったり、別に一人でも大丈夫!という方は、最初からセルフプランをおすすめします。

⑥サービス等利用計画案を提出する

最後に、⑤でたてたサービス等利用計画案を提出すれば、受給者証の申請は完了です。
提出は、直接担当窓口へ持って行ってもいいですし、郵送でも受け付けています。

計画案が提出されたら、この計画案と申請時の面談に基づいて支給量決定が行われ、後日、受給者証がご自宅に送付されます。
自治体にもよりますが、わらピーの時は、初めて受給者証を申請した時は、計画案提出から交付までに約1カ月程かかりました。
なので、申請から交付までどのくらいかかるか、計画案を提出した時に担当保健師さんがおおよその目安を教えてくれますので、交付までに時間がかかっても、首を長くして待っていてください(笑)
最初に伝えられた目安の期間を過ぎても受給者証が到着しない場合は、担当課へ連絡しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
病院で診断を受けてから、まずやるべき3項目についてご紹介しました。
各項目の詳しい情報については、お子さんがお住まいの各自治体のホームページや担当窓口まで、電話等でお問い合わせください。

診断を受けた日が、我が子のスタート地点だと思って、私も無我夢中で走ってきました。
診断を受けた瞬間は、複雑な思いもありましたが、そこからできることを一つずつ積み重ねてきました。
ここに書かせていただいた情報は、いわばウオーミングアップのようなものです。
まず、何から始めてよいかわからない!という方の助けに少しでもなれば幸いです。