日常生活において困った事とその対応方法~1歳頃から2歳半頃まで~

発達障がいがあるこどもを育てていると、思いもよらない困りごとに遭遇します。
定型発達のこどもでも、育児をしていると、イレギュラーな事はたくさん起こります。
発達障がいのある子どもであれば、なおさらそういった事は日常茶飯事です。

このページでは、わらピーが主に1歳頃から2歳半頃、ちょうど発達障がいと診断を受ける前までに直面していた、日常生活においての困りごとやそれに対してどのように対応していたかを、ご紹介します。

1:手をつながず、すぐに走り出して迷子になる

小さいこどもは、程度の差はあれ迷子になる事はあるかと思います。
でもわらピーの場合は、その程度が規格外でした(笑)
以下に、具体的な事例に分けて、我が家のケースについてお話させて頂きます。

公園で遊ばず、すぐに出口に向かって走り出す

この頃のわらピーは、公園に行っても遊具などでは遊びたがらず、すぐに出口の方へ走って公園の外へ出ていこうとしていました。
わらピーに、「公園の外に出て行ってはだめだよー!止まってー!!」と、必死に呼びかけても振り向いたり、止まったりすることは全くなく、、、
なので、公園についてからは、全く目が離せずひたすらわらピーの後ろを小走りで追いかけていました。
わらピーにかかりっきりだった私は、双子の妹のゆでたまごちゃんをかまっている余裕はなく、公園に来ていた他のお母さん達に、ゆでたまごちゃんの様子をみてもらったりして助けてもらっていました。
たくさんの人に助けて頂いて、なんとか二人を公園で遊ばせていた(わらピーは遊んでいたというよりは、ひたすら走っていただけですが、、(笑))時期でした。

結局、公園での脱走癖は、わらピーが遊具で遊べるようになるまで続きました。
わらピーが走っていく前に先回りして、出口を私が塞いだり、出口が目に入る前にわらピーを抱き上げて、出口から一番遠いところへ連れていく、というのを繰り返して防いでいました。

他の人のカバンを漁ったり、他の家族のピクニックシートへ行って、自分の好きなおもちゃやお菓子を取ろうとする

一旦、自分の興味が魅かれるものが目に入ると、そこへまっしぐらだったわらピー。
たとえそれが全くの見ず知らずの人のものであろうと、お構いなし。

見ず知らずの人のカバンを勝手に漁り、自分の好きなものが入っていないかどうか探しまくる。
お目当てのものが見つかると、迷わず取ってしまう。
公園で、ピクニックシートやテントを広げてお弁当やお菓子を食べている親子連れのところに勝手に入って行って、そこにおいてある食べ物やお菓子を勝手に取って食べたり、よその子のおもちゃを勝手に使ったり。
自分のモノか他人のモノかの区別は全くついていませんでした。
一瞬目を離したすきに、自分の欲しいもののところまで一直線に走り出し、気が付いたころには人様の食料を口にしている、、、
慌てて追いかけて行って、ひたすら相手の方に謝る、というのがしょっちゅうありました。

そこで、わらピーが好きそうなお菓子やおもちゃを常に持ち歩いて、わらピーが人の所にいきそうだなというタイミングでそれを見せて、よその所へ走りだすのを阻止していました。

2:ズボン・オムツ・靴をすぐに脱ぎたがる

脱ぎ癖のあるこどもは少なからずいるかと思います。
今思えば、これらの特徴は発達障がいのこどもによくある感覚過敏の一種だったのかなと思います。
当時はただ、不思議で困惑するばかりでした。

オムツが濡れる(おしっこやうんちをする)か、暇になるとすぐに、ズボン・オムツを脱ぐ

この頃のわらピーは、気が付くとオムツとズボンを脱いでいる!という珍現象がありました。
ただ脱いでいるだけならまだしも、その後すっぽんぽんの状態で、どこかでおしっこをしていたり、ウンチをしていたり、はたまたオムツにしていたウンチを家の壁やベッドの布団、カーペットなどになすりつけるという大惨事に見舞われることもしょっちゅうでした。
わらピーがその辺におしっこやうんちをやらかした時に、「おしっことかウンチの時は教えて!」と言っても通じる訳はなく、ただただニコニコ笑っているだけでした。
その様子に私は、「お母さんは怒ってるんだよ!おしっこやうんちはトイレでするもの!!脱いでその辺にしたり、ウンチをおててで触って遊んじゃダメ!!」と強く言っても、全く何の反応もなくニコニコしているだけ。

特に大変だったのが、オムツにうんちをして、そのうんちを至るところになすりつける行動でした。
当時、双子の妹のゆでたまごちゃんとまだ幼稚園にいっていない3歳のお兄ちゃんが家にいる状態で、わらピーだけをずっと見張っているわけにもいかず、注意はしていても他の二人にかかりっきりになっているときに、気が付くとうんちをなすられまくっている!!という事がしょっちゅうでした。
布団にされたときは、うんちが広範囲にわたりすぎて、途方にくれました。
洗濯機を5回回して洗濯した日も何度あった事か、、(涙)
また、それをリビングでされた時は、警察犬になった気分でした。
当時、我が家では茶色のカーペットを敷いていたのですが、茶色のカーペットの上にうんちをされた日には、見た目では区別がつかず、ひたすら犬のようにカーペットのにおいをかいで、うんちのありかを探っていました。(笑)

これはどうしたらいいものかと思い悩んだ末、そうだ!ズボンを脱げないものにしたらいいんだ!という所にたどりつきました。
サロペットやオーバーオールのようなオールインワンの服をたくさん買ってきて、それを着せる事にしました。
また一口にサロペットタイプと言っても、胸の所でボタンをはずせるタイプは、わらピーが勝手にボタンを外して脱いでしまったので、取り外しのできない完全に一枚でつながったタイプのオールインワンを着せていました。
更にその下は、ロンパースタイプのインナーを着せて、オムツを股下のボタンできっちりガードすることで、完全防備の姿を作りあげました(笑)

そのおかげで、自力ではオムツとズボンを脱げなくなり、ウンチをなする行為も阻止することができました。
そのうち、ズボンとオムツを脱ぎたがるという時期も、無事卒業を迎えることができました。

どこでも気が付くと、靴下と靴を脱いでいる

この頃のわらピーは、身に着けるものが嫌だったのか、ベビーカーで移動しているときでも、公園で遊んでいるときでも、気が付くと靴下と靴を脱ぎすてていました。

自分が歩き続けているときは、靴を履いていられるのですが、ひとたび休憩したり公園などの目的地に到着した時には、座り込んで靴と靴下を脱ぎ捨て、裸足で走り出していました。
一番困ったのは、移動中の時に靴を脱がれることでした。
車に乗っているときなどは、靴を脱ぎ捨てても簡単に見つける事ができたのですが、ベビーカーで移動中の時に脱ぎ捨てられた時には、気が付くと、あれ!?靴がない!!となる事がしょっちゅうでした。
そういう時は、三歳になるお兄ちゃんがわらピーの靴を拾ってもってきてくれたり、通行人の方が靴を拾ってもってきてくれたりと、何とか靴を紛失するという事は奇跡的に一度もなく、この時期を乗り越えられました。

靴を脱ぐな!と言っても理解ができないわらピー。
そこで、裸足で走り回ってもそこまで危なくない公園などでは、靴を脱ぐことを許容しました。
ただ、靴を脱ぐときは勝手に脱ぐのではなく、私が見ている目の前で一緒に靴と靴下を脱がせるようにしました。
そして、ベビーカーや車など乗り物に乗るときは、あらかじめ靴と靴下は脱がせてから乗せるようにしました。
そうすれば、勝手に脱がれて紛失するという事は防ぐことができますからね。

今でもやはり開放感のある裸足が好きなようですが、靴をはかずに歩くと足が痛くなることや、足が汚れて気持ちが悪くなることが理解できるようになったわらピー。
そういった事を理解できる様になると、こちらから一生懸命言わなくても、自分の意思できちんと靴を履いていられるようになりました。

3:初めての場所、モノが苦手

今でも”お初”が苦手なわらピー。
発達障がいのある子どもにとって初めての事は、先の見通しが立たないために、とてつもなく不安に感じてしまうからです。
それでも成長と共に、お初でも受け入れられる事が増えてきました。
この頃のわらピーが苦手だった”お初”シリーズのものについてお話します。

初めて行く場所では必ず大泣き

この頃のわらピーは、とにかく初めて行く場所に行くと必ず大泣きしていました。
場所に入る事はおろか、初めての道を通るだけでもぐずりだし、そこから目的地に到着するまでずーーーっと泣きっぱなしでした。
そのため、目的地に着いてからも中に入る事は全くできずに、そのままお家へUターンという事もしばしばでした。

この頃の私は、わらピーに発達障がいがあるなんて全く思っていなかったので、事前に初めて行く場所の写真を見せて見通しを立てさせてあげる、なんという方法が思いつくはずもなく。
近場のところで頻繁に行くようなところは、とりあえず慣れさせようと思い、同じ道を通って目的地へ行く、を繰り返しました。
慣れてくると、今度は違う道を通って同じ目的地へ行く、を繰り返しました。
だんだんと、道が違っても同じ目的地へたどりつくという事が理解できるようになりました。
次に、毎日色々な違う公園やスーパー、公共施設(図書館や博物館など)に出かけるようにしました。
その際、わらピーの好きなぬいぐるみやお菓子、おもちゃなどを、メンタルのおまもり代わりに持っていくようにしました。
すると、道も場所も初めてでも、自分のよく知っているアイテムがあるおかげで、”お初”の不安はあるものの、精神的に落ち着いていられるようになりました。
そのうちにわらピーの中の経験値があがり、”お初”の場所はそんなに怖いものではない!と理解できるようになり、大泣きすることがだんだんと減っていきました。

初めて着る服や靴を身につけたがらない

わらピーの苦手な”お初”シリーズ。
この頃は、服や靴などが新しくなると、それを着てくれない時期でした。

幼児期は、成長も早くまた頻繁に汚したりするので、靴も服も早いサイクルで替わっていきます。
でもわらピーは、自分が普段来ている服(もともとあった服は、種類が違っても許容できていました)や靴が、サイズが合わなくなって新しいものに替えるとなると、身に着けることを断固拒否!!(笑)
くたくたに破れ汚れてゴミ箱に入れていた服でも、ゴミ箱から引っ張り出してきて、それを着させろと要求。
サイズが小さくなって、足の指先をキュンっとおり詰めてはかないといけない靴にも関わらず、あえてそれを履きたがる。
服は、色々な柄や種類のものを許容できていたので、まだごまかしがきき、知らない間に新しい服を着れるようになる事ができていましたが、問題は靴でした。
靴は、だいたい同じものをずっと履いているので、新調したことが明らかにわかるアイテム。(笑)
毎回靴がサイズアウトするたびに、どうやって新しい靴を履かせようか思い悩む日々でした。
そんなわらピーだったので、毎日履いているスニーカーしか履いてくれず、雨の日の長靴や夏場のサンダルなども拒否!!でした。

そこで、夏場のサンダルと雨の日の長靴を履かせることは、いったんあきらめました。
その代わり玄関には、とりあえず見慣れてもらうために、サンダルと長靴をずっと出しっぱなしにしておきました。
そろそろ履いている靴がサイズアウトしそうだなという頃合いで、新しい靴も玄関に並べました。
そして、時々靴を履くタイミングで、新しいスニーカーを履かせてみせました。
いよいよ、サイズアウトして履けない!となったタイミングで、小さい靴を処分し、目の前には、少し前からおいてある新しいスニーカーのみ、という状況にします。
履き慣れたスニーカーがなくなったことに、しばしパニックになるわらピーでしたが、もうこれしかない!という状況がわかると、最終的には新しい靴を履いてくれるようになりました。

今では、自分から好んでサンダルや長靴も履くようになったわらピー。
この頃の苦労が嘘のようです(笑)

まとめ

いかがだったでしょうか。
わらピーが1歳頃から2歳半まで頃までの、日常的な困り事とその対処方法についてご紹介しました。
*わらピーが1歳になる前の赤ちゃんの頃の特徴については、こちらをご覧ください。
発達障がいを疑う特徴5項目~乳幼児期~

この頃の私は、わらピーの特性に気が付いておらず、ただただわらピーの不思議な行動に振り回されていました。
療育なんていう言葉はおろか、対処方法もインターネットでその都度調べたりしながら、必死で試行錯誤し、もがき苦しみながら育児をする日々でした。
このページを読んで下さっている方の中には、今がとても辛くて辛くてたまらない日々に思え、我が子が成長する姿を想像できない、、と思われる方もいるかもしれません。
かつての私もそうでした。
でも、こどもは必ず成長します。
たとえ、それが亀のようにとてつもなくゆっくりなスピードだったとしても。

現在お子さんの個性の強さに圧倒されながらも、必死に育児をされているママさんへ、少しでもお役に立てられれば幸いです。
いつか、あの時はこんなだったなーと笑って話せられる日は必ず来ます。
その日を信じて一緒に頑張りましょう!!