療育手帳の申請から受け取りまで

我が子が発達障がいを診断を受けたら、取っておきたいのが療育手帳です。
地域によってその呼び名は違いますが、我が家が住んでいる地域では、発達障がい、特に知的障がいをもつ方が取得できるのが、療育手帳です。
各都道府県が発行する障がい者手帳の一種です。

このページでは、療育手帳の申請から受け取りまでの流れについて、具体的にご紹介します。

1:市役所の障害福祉課へ申請

まずは市役所の障がい福祉課へ、療育手帳の申請をしにいきます。
この時、手帳取得予定のお子さんの顔写真が必要となります。
発達障がいがあるお子さんが、巷の証明写真機にじっと座って、きちんとした証明写真を撮る事はなかなか難しいかなと思います。
うちのわらピーもそうでした。
でも大丈夫です。
この時求められる顔写真は、きちんとした規格の証明写真でなくてもかまいません。
本人の顔が正面から撮られていれば、どこかへお出かけに行ったときに撮ったものや、おうちでおもちゃで遊んでいるときに撮ったものでも、背景がどんなものでも構いません。
手帳の、写真を張るところの枠のサイズは決まっているので、そこにお子さんの顔がきちんと収まるサイズのものであれば、目線があっていなくても、少し斜めを向いていても、大丈夫です。

写真と共に必要になるのが、申請書類への記入です。
あらかじめ顔写真を用意して窓口へ持参できる場合は、その場で申請書類に記入して、写真と共に提出すれば、申請は受理されます。
もし写真を用意せずにとりあえず申請書類だけを取りに行く場合は、後日記入済みの申請書類と顔写真を窓口へ提出し、申請が完了します。

2:こども家庭相談所からの連絡待ち

申請書を提出して受理されたら、次は療育手帳を発行するにあたっての発達検査や、聞き取りなどを行う判定機関からの連絡を待ちます。
この判定機関は、自治体によって担っているところが様々ですが、我が家の住んでいる大阪府では、「子ども家庭センター」というところが、判定機関となっています。

申請をしてから、判定機関からは約2週間後くらいに電話で連絡が来ます。
この時の電話で、判定日の予約をします。
申請した時期にもよるのですが、判定待ちをされてる方が結構いらっしゃるので、申請してから実際の判定日(検査や聞き取りを行う日)まで、平均して約3カ月くらい待つことが多いです。
なので、手帳の申請をしてすぐに手帳が取得できるものではないという事は、頭に入れておいた方がいいでしょう。
キャンセルなどで判定日の枠が空いた時は、判定機関から再度連絡が入り、判定日を早めてもらえることもありますが、大体一定期間は待たされることが多いので、気長に判定日を待ちましょう。

3:判定機関での発達検査と親への聞き取り


電話で予約した日に、判定機関に行って取得予定の子どもへの発達検査と、親への聞き取りが行われます。
まず初めに、取得予定の子どもについての発育過程や日常生活においての困りごとなど、質問項目に沿って用紙に記入します。
記入し終わったら、職員の方が内容を確認される間、しばらく待合室で待ちます。

次に発達検査が行われます。
検査は、子どもの状況に応じて行われます。
親と離れるのが難しいお子さんは、親と一緒に検査室に入って親子同室で検査を受けます。
親と離れても大丈夫そうなお子さんは、そのまま臨床心理士さんと検査室に入って、検査を受けます。

子どもの検査が終わると、親への聞き取りが行われます。
生後から現在に至るまでの発育過程、日常生活の様子、日常での困りごと、課題と思える事など、細かいところまでしっかりと聞かれます。

発達検査と聞き取りが終わると、再び待合室で待ちます。
その間に検査と聞き取りを行った臨床心理士さんが、療育手帳の取得の必要性の有無と、取得が認められた場合の障がいの程度区分を判定するために、検査内容を精査します。
時間は約20分ほどです。
待合室で待つのが難しいお子さんの為に、おもちゃや本などを用意してある部屋も用意されています。
わらピーと私は、初めての療育手帳取得の時は、この部屋で待ちました。

4:判定結果の通知

判定結果が出たら、発達検査を受けた検査室もしくはおもちゃなどが置かれた個室で、判定結果について臨床心理士さんから説明を受けます。

障がいの区分

我が家が住む大阪府では、障がいの程度に応じて3つの区分があります。
療育手帳の区分けの基準は、知的障害の重さによって以下のように分けられています。

  • A→重度知的障がい
  • B1→中度知的障がい
  • B2→軽度知的障がい

わらピーは、発語が全くないというところだけで、最も障がいが重いA判定でした。
他にも、排せつの自立が完了していなかったり、服を自分で着脱できなかったりなど、身辺自立もほぼできていなかったので、その辺も考慮されました。
傾向としては、発語が無かったり、身辺自立が進んでいなかったり、日常生活送る上に置いて困難な事が多いと、重度の判定になる事が多いです。
一方、日常生活において基本的なことはできるけれども、こだわりが強かったり過敏が強かったりする場合は、中度や軽度の判定結果になる事が多いです。

手帳取得によって得られる行政サービスについての説明

療育手帳を取得すると、様々な行政サービスを受けることができます。
受けられるサービスは、障がいの程度(A,B1,B2)によって、それぞれ異なります。
判定結果を知らされた後、判定された障がいの区分で受けることができる行政サービスについて、大まかな説明があります。

基本的に、最重度のA判定の場合は、療育手帳取得者へ提供されている行政サービスをほぼ全て受ける事ができます。(但し、養育環境や所得制限などの一定の条件はあります。)
中度のB1判定では、A判定ほどではありませんが、約半分程度の行政サービスを受ける事ができます。
軽度のB2判定では、A判定と比べるとわずかには感じますが、一部の行政サービスを受けることができます。

検査結果の詳しい内容については、書面で後日郵送される

判定日当日は、検査結果については口頭のみでの説明となります。
希望すれば、この日受けた結果についての詳細な内容を、後日書面で受け取る事ができます。
その場合は、判定機関から自宅までの郵送料金分の切手が貼られた封筒に、自宅の住所などを書いて、判定日に持っていきます。

この時に気を付けたいのが、書面での郵送はあくまでも任意なので、判定機関から特にその旨を言われることはありません。
まれに、気の利く親切な方が対応してくださった時は、電話で判定日の日程を調整する際に教えてくれますが、大体はこちらから言わないと教えてもらえる事はありません。
私も、先に療育手帳を取得したママ友からこの事を聞いていたので、自分から書面郵送の事について尋ねました。
こちらが希望すれば、快く対応はして下さるので、そこは安心して大丈夫だと思います。

5:市からの交付決定通知を待つ


自治体が指定する判定機関での面談が終わると、その結果が各都道府県の担当部署に送られます。
その後、交付の決定通知がお住まいの各市区町村へいきます。
そこから、療育手帳決定通知書が作成されたお住まいの各市区町村から自宅へ届きます。
この時注意したいのが、この時点では、手帳は送られてこないという事です。
この時送られてくるのは、療育手帳の決定通知書だけで、後日この通知書と共に身分証明書や印鑑をもって、市役所の担当窓口へ行って受け取りの手続きを行う必要があります。

療育手帳の決定通知書は、判定日から約1カ月ほどで届きます。
通知書が届く目安の期間は、判定日に担当してくれた臨床心理士さんが教えてくれます。
目安期間を過ぎても届かない場合は、お住まいの市区役所の担当課へ問い合わせましょう。

6:療育手帳の受け取り

市からの療育手帳交付決定通知書が届いたら、市役所へ受け取りに行きます。
わらピーの時は、以下のものを持って、障がい福祉課へ手帳を受け取りに行きました。

  • 市から届いた交付決定通知書
  • 本人の身分証(マイナンバーカード、健康保険証など)
  • 印鑑

申請者本人が受け取る事が出来ない場合は、家族などが代理で受け取ります。
この時、本来ならば、委任状と代理人の身分証明書も必要になるのですが、わらピーは未成年者なので、未成年者の親が受け取る場合は、委任状や代理人の身分証明書などは必要ありませんでした。

受け取り確認の所にサインをして、療育手帳を受け取ります。
療育手帳を受け取る際に、該当する障がいの区分に応じた行政サービスについて大まかな説明があります。
わらピーの時は、受けられる行政サービスについての内容や受けるために必要な手続きなどについて書かれた冊子をもらい、わらピーの該当する障がい区分で受けられる行政サービスのところに、付箋を付けて一通りの説明をしてもらいました。

これで、療育手帳の受け取りは完了です。

まとめ

いかがだったでしょうか。
療育手帳の申請から受け取りまでの流れについて、ご紹介しました。

療育手帳は、手帳を提示しただけ受けられるサービスや、別途、事前の手続きをしなければ受けられないサービスもあります。
それらの詳しい内容については、こちらをご参照ください。
療育手帳取得(重度:A判定)によって、受けられるサービス5項目

我が子の発達障がいがわかり、手帳の取得をためらっておられる親御さんもおられるかと思います。
私も当初は、手帳取得を前向きに考えることができずにいました。
でも実際に手帳を取得して、受けられる支援やサービスが多岐にわたり、手帳を取得してしてよかったなと実感しております。
もし、療育手帳の取得を迷われているなら、取得することをぜひ、オススメします。
受けられる支援やサービスを利用しない手はありません。
提供されている支援を受けて、その分を、可愛い我が子を育てる力に活かそう!!
そう思って、療育手帳の取得を検討されてはいかがでしょうか。